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技術文書や技術翻訳で大切だと言われている3C(Correct, Clear, Concise)ですが、技術内容の3Cはなんとなく理解できるようですが、翻訳の3CのうちCorrect Translationは僕には難しすぎますね。

Clearな翻訳やConciseな翻訳ならば努力する方向性は見えてきますが、Correctな翻訳とは何なんでしょうかね。翻訳会社や特許事務所や企業の知財部の担当者の方から翻訳の指示で「忠実」に訳してくださいと指示があることもあります。しかし「忠実」とは何に「忠実」かは僕にはぼんやりとした印象としてしか持てないようです。原文の「字面」に忠実(例えば、ミラートランスレーション)なのか「技術内容」に忠実なのかというと落とし所は技術内容が間違っていない範囲で字句にも寄り添うように完全な意訳は避けることのような着地点が見える気がします。

以前、発明推進協会でPCT特許出願の要約文の翻訳をやらせていただいた時期があるのですが、ある時WIPO(世界知的所有権機関)の翻訳部長さんが来日してセミナーをしてくださったことがあり、参加しました。せっかくの機会ですのでWIPOの特許翻訳での「Correct Translation」の定義はなんですかと質問いたしました。

部長さんはちょっと考えた後、「WIPOの日本語から英語への翻訳はフランス語にさらに翻訳されるので、第3言語に英文翻訳がさらに翻訳された時に原文の日本語と一致するようでなければならない」とおっしゃいました。

そこで何が一致するのかがわからなかったので「correctness of the invention(発明の正しさ)」なのかとお聞きすると「それは違う」と回答くださいました。

そうすると原文の字句をどのうように取り扱うかが問題となるので、「原文の構造は変えても良いのか(字句の位置関係や、品詞の転換(名詞から動詞や副詞から形容詞や動詞等))?」とお聞きしたところ、横におられた担当の方とも一致してそれはOKだと教えてくれました。

翻訳もいろいろな種類があって一概にどれにも共通する「Correct Translation」はないでしょうね。ですが、特許翻訳で全世界を相手にする翻訳を手がける場合はWIPOの部長さんの考えのように多言語に翻訳されて各国で権利取得が正しくできる翻訳を心がける必要があるのでしょうね。

そうすると、少なくとも第3の言語をイメージしながら翻訳するとよいかもしれません。ドイツ語を習い始めたのはこれが理由ではなく単にGunnarと楽しく世間話がしたいという理由でしたが、確かに第3の言語の構造を勉強すると言語により得意不得意なことが理解できるように少しはなりますね。例えば、ドイツ語は倒置が非常に簡単で、頻繁に利用されて文書の流れをうまくつくれるなあーーと感心した覚えがあります。

ドイツ語は5年かけて準一級をなんとか取れましたが、お金をもらって翻訳できるというレベルではないですね。ですが、英語での翻訳にもう少し役立つ程度には勉強する必要があるかもしれませんね。次の目標はGoethe-ZertifikatB2です。

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