bFaaaP の物語
ひとりの願いから——誰でも作れる、フットフリーのピアノ・ペダルへ。
bFaaaP は、ひとつの素朴で強い願いから始まりました。足でペダルを使えない人でも、サステインの豊かな響きとともにピアノを弾けるように、と。
数年と数多くの試作を重ね、手作りの実験から、洗練された2系列のハードウェアと1つの iOS アプリへ。そして、誰でもどこでも作れるよう、完全なオープンソース・プロジェクトへと育ちました。
名前がすべてを表しています——bFaaaP(barrier-Free assist as a Pedal)。オンデバイスAIが読み取る小さな頭のかたむきが、Bluetooth を通じてペダルの操作になります。

はじまり —— bFaaaP 1(2018)
最初の試作機にすでに発明が在りました。頭部角度の制御則(オフセット+倍率)は今日と同じ。変わったのは工学=大きさだけです。
- センサー:メガネに装着した頭部角度センサー(意匠登録)→ 今日はスマホ、顔に何も付けない。
- 駆動モーター:オリエンタルモーター(株)製の大型ステップモーター → 手のひらサイズの閉ループモーター(Pro)、または Switch ではモーターなし。
- 固定:防音チャンバー筐体の底部区画に詰めた金属錘 → 空気圧の airback が隣のペダルに突っ張ってアンカリング。



エンジニアからのメッセージ
ペダル装置・ファームウェア・電子回路をつくる人たちから——本人の言葉で。

成澤 博行
ペダル装置・ファームウェア
Open Source Project公開に向けて
このプロジェクトは当初簡単な様に思えたが、実際に始めると色々な要素が絡んで現在に至るまで完成域に達していない、オープンソース化によって、幅広くプロジェクトを知ってもらい踏み台にして、改善案、コストダウン等、新しい方法が生まれて行くことを願っています。
簡単にまとめればこの三要素
1)ペダルを踏むために足以外の身体の動きをどの様にセンスするか
2)センスしたデータを早くデバイスに送る手段
3)センサーから送られて来たデータで、素早く静かにペダルを踏む
こんな感じかな

大瀧 雅寛
設計・コーディネート
「新居をバリアフリーに」とリフォーム工事を依頼されたのは2008年、その後も宍戸さんとのお付き合いは続くこととなりました。「習い始めたピアノを、もっと楽しく演奏したい。車いすユーザーでも演奏するための、ペダルシステムを一緒に開発しよう」と誘われたのは、2018年の元旦でした。
とはいえ建築を生業とする私には技術がなく、すぐに私の師匠の成澤さんに相談し、成澤さんとともに宍戸さんのお宅を訪問したのは、その2週間後でした。勧められたアプリ開発入門書を読み、特許取得のための作図し特許庁を訪ねたりと、今まで私が経験しなかったことが続くこととなりました。
私も日々の建築の仕事で、先人たちから学んだ技術を、続く若い人たちに伝えたいと思うなか、「bFaaaP で得た知見は、すべての人たちに公開すべき」との方針に、大きく頷きました。
「あらゆる人たちを楽しくするプロダクトを、あらゆる人たちが開発する」今回のオープンソース化をきっかけに、日本だけでなく世界中の仲間を巻き込みながら、さらに発展していくことを願います。

徳重 大輔
知的財産
知財の面で協力させていただいたbFaaaPの技術が、オープンソースという形で世界に共有されていくことを、とても感慨深く思っております。
自身の「頭の動き」に合わせて「ペダル」を意図した通りにコントロールできる仕組みは、本当に画期的だと思います。
bFaaaPがより多くの方に届き、それぞれが思い描く自由な演奏体験につながっていくことを、プロジェクトの一員として願っております。

田口
ソフトウェア工学
オープンソース化おめでとうございます。私の資料が微力ながらお役に立てたようで嬉しいです。
オープンソースになったことで、「頭部の動きに合わせてモータを駆動」させたい方が、ピアノ以外にも自由に応用する道が開かれたと思います。また、bFaaaP のメンバー以外から、新機能の実装や不具合の修正などが可能になりました。プロジェクトが加速していくことを願っています。
私事ですが、最近、ピアノを習い始めました。「カノン」を弾けるように練習しています。本当に始めたばかりで、まだペダルを使った練習はできていないのですが、bFaaaP のユーザとしても改良を加えられるよう、オープンソースになった後も楽しみながら精進していきたいです。

田中 遥斗
電気電子工学
この度はオープンソース化おめでとうございます。
今回のオープンソース化をきっかけに、長年bFaaaPが開発してきた取り組みが、日本だけでなく世界中の仲間やボランティアを巻き込みながら、さらに発展していくことを期待しています。
今後は、プラタナスの会とも連携し、bFaaaPの取り組みが幅広い層の方々に届くよう、情報発信にも尽力していきたいです。

