kana

ピアノの調律師をしております。
音楽家の両親のもと、音楽に囲まれた環境で育ちました。
ずっと演奏を学んでいましたが、ピアノの音を少し違う角度から眺めてみたいとの思いから、現在の職業に至ります。

まだペダルに足が届かない幼少の頃、立ちながらペダルを踏み弾いたところ、なんて大人っぽく聞こえてくるのだろう!と感激したのを今でも覚えています。
しかし、ペダルを使うようになった年頃になり、レッスンで演奏していたところ「あなた、ペダルを使わない練習はしているの?」と聞かれましたが、まだ子供の私は練習の時もフレーズもつながってなんとなく仕上がって聞こえるという理由でペダルを使っての練習がほとんどでした。
ペダルを使わずに弾いたところ、つなげて弾くことなどペダルに任せっきりで、指先はすぐに鍵盤を離れブツブツとしたメロディー、ミスタッチも多くそれは酷いものでした。
やはりどんなにペダルを使えていてもフレーズがつながり、弾いていない弦の共鳴も加わることで、より豊かな広がりある響きになったとしても、指先のテクニックも同時に意識しなければ音楽の流れは本当の意味で流れていない、ということを強く感じました。
それ以来、ペダルだけに頼らず流れを止めないということを強く意識しているように思います。

bFaaapはそうした当時の私の安易な考えとは正反対の、どうしたらよりフレーズをつなげて演奏できるかという思いがアイデアと技術と情熱で完成した製品だと思います。
宍戸さんご本人が、ペダルを使わず離れた音をつなげて弾くにはどうしたら良いのかという指のテクニックを、試行錯誤されているのを数年前に拝見しましたが、ペダルに頼らずつなげるという意識もまた必要な技術であり、そこから先の限界ある曲に関してはやはりペダルは大きな役割だと言えるでしょう。
それを可能にしたbFaaaPという素晴らしい製品を、ペダルが踏める装置があればと思っている世界中の方々にご紹介、お届けが出来ればとても素敵なことだと思います。