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イラスト:塩川紗季

大瀧さんがブログで「「正義」という言葉の反対の言葉は、「愛」なのです。」というのをするそうですが、英語でどう翻訳するのかと、いつものようにFaceTimeがかかってきました。

私は特許文書のなんちゃって翻訳者ですが、こういう一般的な「文化的ニュアンス」の入った翻訳は「無理かな」といつも思いますね。

この手の翻訳は「エンジョイSwiftUIプログラミングその11(多言語化その2:WordPressブログ記事とニューラル機械翻訳(NMT))」で取り上げたように、NMTという「ディープラーニング」でトレイニングしたAI翻訳を試すとよいですね。

最近では「DeepL」というNMTが登場しましたね!

では、「Google翻訳」と「DeepL」で翻訳してみましょう!

どちらも「正義」には「justice」、「愛」には「love」を当てていますね。ですが、このどちらの言葉も私にはよくわからないのですが、特に「正義」って英語でどういうのかなと思います。私にはこの「正義」を「justice」とするのに特に違和感があるんです。また、私は奥さんにいつも日本語がわかってないと「あんた何年日本人しているの?」と馬鹿にされていました。まず、日本語の意味をネットの広辞苑で調べてみると、

とあります。justiceは③でしかも()の中に入ってますね。

では、英英辞典で「justice」の定義を見てみましょう。

大瀧さんとはbFaaaPの情報を共有してアイデアを出したり、疑問を共有するのにScrapboxのサイトを利用していますが、大瀧さんがこのことをメモ書きしていたので、引用します。

つまり、justiceのいう「正義」は法律を使用して犯罪を裁くのが「正義」なんですね。この言葉をネーティブが使う場面はテレビでもよく出ますが、アメリカ大統領が宣戦布告するときに用いる概念で、敵を攻撃することを法的に正当化して「正義は我にあり」とする概念だというと少ししっくりくるような気がします。

ところが、日本語の「正義」は、法的に正しいという概念はなく広辞苑でも「人が行うべき正しい道筋」というような社会的で道徳的観念がより入った「正義」なんですね。おなじ戦争関連でも戦国時代の武将が「我に正義あり」という際の「正義」には「法的に正しい」といっているのではなく「道徳的に人として我が正義」であるというニュアンスの気がします。

とすると「正義」の別の英語があるでしょうか?例えば「right」はどうでしょう。rightを形容詞または名詞としてみた場合の英英辞典の定義は、

この用例のように「right」は社会的同義的に正しいことと定義されていて、「you did right」のように正しいことをしたという意味ですね。

ですが、「The opposite of the word “right” is “love”」で日本語の意味になるでしょうか?

「right」には「権利」という意味もあります。ですが、どうも上の例文は僕には意味不明ですね。

ところが、「The opposite of the word “justice” is “love”」は何か、国家的レベルや法律家が使う「格言」の印象があり、我々庶民が日常レベルで使う英語表現ではない気がします。

また、私の感覚ではむしろ「The word “justice” is the same as “love”」ですね。先程のアメリカ大統領が宣戦布告で使う「justice(法的処理を実行します)」が日本のテレビの字幕で「正義を下す」などと誤訳されているので、違和感を感じる日本人も多い気がします。

国際関係も学習したことはないですが日本の「正義」が世界で通用する(翻訳可能な)「正義」でないことが日本の外交が必ずしも世界のスタンダードにならない理由なのかもしれませんね。

大瀧さんのいう「正義」とは、大統領や法律家が使う意味ではなくて日常生活のなかの社会的道徳的なコンテキストで使われる「正義」ですよね。

翻訳できない日本語がやはり多数あって、英語でそのまま日本語の読みを当てているものもありますね。例えば、有名な例では「旨味」という日本人には当たり前の味の感覚は欧米にはその訳語が存在しないので「umami」という英単語ができたのは有名な話ですよね。

私はなんでも「いいわけ」を考えるのに忙しくて仕事できないです。大瀧さん、こんなところで許してもらえるでしょうか?

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