文化の違いで動詞の方向が逆になりますね。
日本語と英語では動詞の方向性を変える方が自然な場合が実は多いんです。「ちょうだい」は「A(チョコ欲しいひと)→B(チョコくれるひと)」にお願いしていますが、「Give me a chocolate」は「A(チョコ欲しいひと)←B(チョコくれるひと)」ですよね。つまり「I request (ちょうだい) a chocolate」ではなく命令形にして動作を逆にする方が英語としては自然なわけですね。
どうして、日本語と英語の動詞の方向性が逆になる場合が多いかというような考察はネットでみるといくつかあるようですが、私の専門とするところではないので(言語学は全く知らない)、詳しくはわかりません。
相対的な場所的な考察でも上と同じで、「今度うちにおいで(I invite you)」も「A(招待するひと)→B(招待されるひと)」の方向性ですが、英語では命令形で「Come to our house」で「A(招待するひと)←B(招待されるひと)」ですよね。
技術翻訳でもこのように動詞の方向性を逆にする方が良い場合がたくさんあります。
例えば、「AはBを加えたものである」を直訳すると「A to which B is added」ですが、方向性を変えると「Bを含むA(A containing B)」ですよね。翻訳する際は内容が正しく同じであればワード数が少ない方がわかりやすいですよね。
同じように、化学の明細書では必ず出てくる「反応させてXを得た」の「得た」ですが、「reacted to obtain X」、「reacted to give X」、「reacted to produce X」をGoogle先生にヒット件数を教えてもらうと、それぞれ、712件、11,300件、2,490,000件となります。つまり日本語の得た「obtain」は、英語の得た(方向が逆の)「give」、「produce」の約0.03%しか使われないです。
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